M5Stack社の「ATOMS3」を購入しました。
ATOMS3(Yahoo!ショッピング)「ATOMS3」は、Espressif社の新世代MCUである「ESP32-S3」を搭載したマイコンボードです。
サイズはATOM LiteやATOM Matrixと同じ 24 x 24 mmですが、0.85インチのLCDディスプレイが搭載されています。
これだけ小さなボディでありながら、なおかつLCDディスプレイがついていることで、さまざまな用途に活用できそうです。
また、価格もM5Stack社のディスプレイ付デバイスの中では最も安価(2023年5月時点で2,376円)で、これまでM5Stack Basicなどを使っていた用途の一部を「ATOMS3」に置き換えることもできそうです。
従来のM5Stack社のデバイスに対し、MCU自体が新しくなっているので、性能面・機能面などについていろいろと興味深い点もありますが、まずは単純に、安価なディスプレイ付IoTデバイスとして活用することを目的に、使い方(スケッチを書き込むまで)を確認してみたいと思います。
こちら のページに記載されているとおりに環境構築を行います。
「MacBook Pro 13-inch, M1, 2020, macOS Ventura 13.1」「Surface Laptop Go, Windows 11 Home(22H2)」の2台に対して環境をつくります。
Arduino IDEは既にインストール済みです。
使用しているバージョンは、Arduino IDEダウンロードページ(こちら)に「Legacy IDE」として公開されている「1.8.19」です。
「Arduino」>「Settings…」で環境構築画面を開き、「追加のボードマネージャのURL」に「https://m5stack.oss-cn-shenzhen.aliyuncs.com/resource/arduino/package_m5stack_index.json」を追記し、「OK」をクリックします。
「ツール」>「ボード:」>「ボードマネージャ…」でボードマネージャを開き、「M5Stack」で検索、表示された「M5Stack by M5Stack official」で「Install」をクリックします。
今回は「2.0.7」をインストールしました。なお、「ATOMS3」を利用するためには「2.0.6」以降のバージョンをインストールする必要があるとのことです。
インストールしたら、「ツール」>「ボード:」>「M5Stack Arduino」>「M5Stack-ATOMS3」を選択しておきます。
「ツール」>「ライブラリを管理…」でライブラリマネージャを開き、「M5AtomS3」で検索、表示された「M5AtomS3 by M5Stack」で「インストール」をクリックします。今回は「0.0.3」をインストールしました。なお、インストール途中で関連ライブラリをインストールするかどうか聞かれるので「Install ‘M5AtomS2’ only」をクリックします。
「M5AtomS3」ライブラリの中では「FastLED」ライブラリを参照しているので、同様に「FastLED」で検索、表示された「FastLED by Daniel Garcia」も「インストール」をクリックします。今回は「3.5.0」をインストールしました。
USBケーブルでパソコンと「ATOMS3」をつなぎ、内蔵の緑色LEDが点灯するまでリセットボタンを長押し(約2秒)した後、「ツール」>「シリアルポート」で接続先を選択します。
Macの場合は、ポート名の末尾が「(ESP32S3 Dev Module)」となっていました。
以下のスケッチを入力し、「→(マイコンボードに書き込む)」をクリックします。
#include "M5AtomS3.h"
void setup() {
M5.begin(true, true, false, false);
M5.Lcd.println("Hello World");
}
void loop() {
}
「ATOMS3」のディスプレイに「Hello World」の文字が表示されました。
これで、問題なく環境構築できたことが確認できました。
なお、今回は当初、Macのみに対して環境構築しようとしていましたが、なかなかうまくいきませんでした。
原因が全く分からなかったため、ゼロから環境をつくりなおしたり、Windows機で環境構築してみたりといろいろと試行錯誤しましたが、結局はUSBケーブルの接触不良が原因でした。
新しいデバイス、開発環境もこれまで使っていなかったバージョンであることなど、新しい要素がたくさんあったのに対し、USBケーブルはこれまで使ってきたものだったため、完全に油断してしまっていました。
やはり、ひとつひとつ確認しながら進めるのが肝心だと、あらためて認識しました。
なお、私がM5Stack、M5StickCの使い方を習得するのにあたっては、以下の書籍を参考にさせていただきました。
ごく基本的なところから、かなり複雑なスケッチや、ネットワーク接続など、比較的高度なものまで、つまづかずに読み進めていけるような構成になっており、大変わかりやすい本です。