マイクロビットを使ってみる 〜KEYESTUDIOセンサーシールド

スポンサーリンク
センサ・電子回路との接続

マイクロビットへの電源供給方法はいろいろありますが、子供が電子工作をする時にはやはり、乾電池2本で電源供給するのが最も扱いやすいと思います。
マイクロビットには電源コネクタ端子がついており、ここに単三(または単四)乾電池2本用の電池ボックスをつなぐだけで、簡単にマイクロビットを動かすことができます。
また、マイクロビットの動作電圧範囲は1.95V〜3.6V(V1)、1.7V〜3.6V(V2)なので、普通のアルカリ乾電池など(電源電圧1.5V×2本 = 3.0V)だけでなく、乾電池型のNi-MH充電池(電源電圧1.2V×2本 = 2,4V)でも問題なく動かすことができます。


このように、マイクロビットへの電源供給は、マイクロビット単体を動かす限りはとても簡単なのですが、マイクロビットに周辺部品をつなぐ場合は話が変わってきます。
例えば、電子工作ではよく使われるサーボモーターをマイクロビットにつなぐ場合、一般的なサーボモーターの動作電圧範囲は4.8V〜6V程度なので、サーボモーターとマイクロビットで動作電圧範囲が異なっており、電源供給のために工夫が必要となります(記事は こちら)。
また、超音波距離センサもマイクロビットとつないで使われることが多い電子部品ですが、例えば「GROVE超音波距離センサモジュール」という製品の動作電圧範囲は3.2V〜5Vで、以前調べた結果では、単四型アルカリ乾電池2本(1.5V × 2本)ならなんとか正常動作しましたが、単四型Ni-MH電池2本(1.2V × 2本)では正常動作しませんでした(記事は こちら)。

その他、マイクロビットから電源を取り出して周辺部品に供給する際には供給できる電流値の制約もあり、マイクロビットに周辺部品をつなぐ場合は電源まわりについていろいろ検討する必要が生じます。

そんな中「KEYESTUDIOセンサーシールド for BBC micro:bit(KS0360) 」という製品を見つけました。


この拡張ボードは、電源ジャック(7V〜9V)もしくはUSBポート(5V)から電源供給することが想定されています。ボードには5Vレギュレータと3.3Vレギュレータが搭載されており、これらにより5V電源と3.3V電源がつくられます。マイクロビットには常時3.3V電源が供給されますが、周辺部品への電源供給用に「V1」「V2」という端子が用意されており、3.3Vもしくは5Vの電源を取り出すことができます(「V1」「V2」それぞれについて3.3V、5Vのどちらにするか設定できるようになっています)。

つまり、この拡張ボードを使えば、3V系、5V系の周辺部品のどちらでも、マイクロビットと同じ電源で動かすことができます。

ただ、先ほども書いたとおり、この拡張ボードは7V〜9V電源ジャックもしくはUSBポートから電源供給することが想定されており、乾電池2本で動かすことはできません。
そのため、百円ショップで販売されている「乾電池式USBチャージャー(充電用電池ボックス)」と組み合わせて使ってみることにしました。

「乾電池式USBチャージャー」に単三型Ni-MH充電池(電源電圧1.2V)2本を入れ、USBケーブルで「KEYESTUDIOセンサーシールド」のUSBポートにつなぐと、ボード上のLEDが点灯します。ジャンパーピンで「V1」の電圧を「5V」、「V2」の電圧を「3.3V」に設定した上で、テスターで「V1-G間」「V2-G間」の電圧を測定したところ、それぞれ5V、3.3V程度と所望の結果が得られました。
期待していたとおり、Ni-MH充電池2本だけで、マイクロビットでに電源供給しながら5V系、3.3V系の電源を取り出すことができました。

それでは、「KEYESTUDIOセンサーシールド」にサーボモーターをつないでみます。
「V1」の電圧を「5V」に設定し、3個のサーボモーターの電源端子を「V1」、グランド端子を「G」につなぎます。また、信号端子はそれぞれ「0」「1」「2」につなぎます。

プログラムは以下のとおりです。

3個のサーボモーターが同じ様に動くだけのプログラムです。
このプログラムをマイクロビットに書き込むと、3個のサーボモーターを同時に動かすことができました。

次に、「KEYESTUDIOセンサーシールド」に「GROVE超音波距離センサモジュール」をつないでみます。
こちらも「V1」の電圧を「5V」に設定した上で、「GND」端子を「G」、「VCC」端子を「V1」、「SIG」端子を「0」につなぎます。

プログラムは以下のとおりです。「Grove」拡張機能をつかっています。

センサから10センチ以内に障害物があるかどうかを検知するプログラムです。
このプログラムをマイクロビットに書き込み、センサの前に手をかざすと、所望のとおりビックリ顔アイコンが表示されました。

どちらも電源まわりの扱いに工夫が必要な周辺部品ですが、単三型Ni-MH充電池2本を1セット使うだけで安定して動作させることができました。
この拡張ボードを使えば、これまで電源の取り扱いに苦労していたその他の周辺部品についても、簡単につかうことができそうです。

 

なお、私がマイクロビットの使い方を習得するのにあたっては、以下の書籍を参考にさせていただきました。


初心者向けから、比較的高度なものまで、さまざまな情報が記載されているだけでなく、子供向けの作例も多数掲載されていますので、「プログラミング教育」のための題材さがしなどにもおすすめです。