Analog Discovery 3 〜パターンジェネレータのタイミング分解能

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Analog Discovery

Analog Discovery 3のパターンジェネレータ機能で、複数のデジタル信号を、少しだけタイミングをずらして出力したい機会がありました。
そのため、どのぐらい細かくタイミングを調整できるのか試してみました(使用しているWaveFormsアプリのバージョンは「v3.23.4」です)。


「Patterns」でふたつのデジタル信号を出力し、それらの信号をそのまま「Scope」のふたつのチャンネルで観測することにします。Analog Discovery 3の各端子を以下のように接続しておきます。

  • 「DIO 0」ー「1+」
  • 「GND」ー「1-」
  • 「DIO 1」ー「2+」
  • 「GND」ー「2-」

WaveFormsアプリを起動し、「Patterns」をクリックしてPatternsウィンドウを開きます。「+(Click to Add channels)」をクリックして「Signal」を選択、「DIO 0」を選んで「Add」をクリックし、ウィンドウに「DIO 0」を表示させます。同様に「DIO 1」も表示させます。

各信号の「Type」で「Clock」を選択、「Parameter1」を「12.5MHz」に設定します。「DIO 1」については「編集」アイコンをクリックして編集画面を開き、「delay」を「10ns」に設定します。

「Welcome」タブに戻り、「Scope」をクリックしてScopeウィンドウを開きます。「Channel 1」「Channel 2」両方にチェックを入れ、「Range」を「1 V/div」にします。「Time」で「Base」を「50 ns/div」にしておきます。画面上部の「Trigger」を「Normal」にし、「Source」を「Channel 1」、「Type」を「Edge」、「Condition」を「Rising」、「Level」を「1V」にします。

ウィンドウ右上の「Run」アイコンをクリックすると「Patterns」と「Scope」が同時に実行開始します。

10nsずれた信号が出力されていることを確認できます。

「DIO 1」のdelayを「20ns」「30ns」「50ns」に変更した時の波形は以下のとおりです。

いずれも、設定したタイミング分だけずれた信号が出力されています。
なお、「delay」で調整できるのは10nsピッチです。「24ns」などと入力しても「20ns」に丸め込まれます。

Analog Discovery 3では、複数のデジタル信号を10nsピッチでずらして出力できることを確認できました。

なお、「Patterns」でクロック信号として出力できる最高周波数は「50MHz」になっています。このとき「duty」は「50%」から変更できず、High期間、Low期間とも「10ns」となります。このことからも、デジタル出力信号でタイミング調整できるのは10nsピッチであることがわかります。