マイクロビットを使ってみる 〜KEYESTUDIO製拡張ボード「KS0360」と「KS4033」の比較

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センサ・電子回路との接続

KEYESTUDIOのマイクロビット用拡張ボードを購入しました。
「センサーシールド for BBC micro:bit(KS0360) 」と「モータードライバー拡張ボード for BBC micro:bit(KS4033)」の2種類です。



両者の外観はとても良く似ています。大きな違いは「KS4033」にはモータードライバーが搭載されているという点ですが、その他の相違点についてもまとめてみました。


電源入力

「KS0360」にはDCジャック(7V〜9V)とマイクロUSBポート(5V)の2種類の電源供給手段があります。
こどもの電子工作用途にはマイクロUSBポートが扱いやすそうです。この場合、もちろんACアダプターを使ってコンセントから電源供給することはできますが、乾電池を使うなら百円ショップで販売されている「乾電池式USBチャージャー(充電用電池ボックス)」などと組み合わせるのが良さそうです。なお、USBポートからの給電というと真っ先にモバイルバッテリーが思い浮かびますが、多くのモバイルバッテリーには「AUTO POWER OFF」という機能が付いており、機器の消費電力が小さいと自動的に電源供給をストップしてしまいます。マイクロビット程度の消費電力では電源供給がストップされる可能性が高いので、他の手段を選択した方がよさそうです。

「KS4033」はネジでケーブルを止める方式のターミナルから電源供給します。
供給できる電圧範囲は 5V〜10.8V ですが、ここで供給した電源電圧がモーターの動作電圧になりますので、こどもの電子工作用途ではあまり高くない電圧(5V〜6V程度)にするのが良いと思います。乾電池4本用の電池ボックスをターミナルに取り付けて使う方法が良さそうです。

電源出力

どちらのボードにも5Vレギュレータと3.3Vレギュレータが搭載されており、5V電源と3.3V電源を取り出すことができます。
また、どちらのボードでも電源はボード左右に並んだ3ピンインターフェースから取り出します。

この際、「KS4033」はボード左側の電源ピンが5V電源、ボード右側の電源ピンが3V電源で固定となっています。
これに対し「KS0360」は、ボード右下にあるジャンパーピンを使って、ボード左側の電源ピン(V1)、ボード右側の電源ピン(V2)それぞれの電源電圧を切り替えることができます。

GPIO

どちらのボードともに、マイクロビットのすべてのGPIOピンを取り出すことができます。
ただし、3ピンインターフェースの電源電圧との関係には違いがあり、「KS0360」ではGPIOとセットになっている電源ピンの電圧を設定できるのに対し、「KS4033」ではセットになっている電源ピンの電圧が決まっています。
また「KS4033」では、「0番」ピンと「1番」ピンについては3ピンインターフェースではなく、単独のピンとして取り出すことしかできません。

GPIOKS0360KS4033
PIN3PIN I/FPIN3PIN I/F備考
0V1(5V or 3.3V)
1V1(5V or 3.3V)
2V1(5V or 3.3V)5V
3V1(5V or 3.3V)5V
4V1(5V or 3.3V)5V
5V1(5V or 3.3V)5V
6V1(5V or 3.3V)5V
7V1(5V or 3.3V)5V
8V1(5V or 3.3V)5V
9V1(5V or 3.3V)5V
10V2(5V or 3.3V)5V
11V2(5V or 3.3V)3.3V
12V2(5V or 3.3V)3.3Vモータードライバ制御で使用
13V2(5V or 3.3V)3.3Vモータードライバ制御で使用
14V2(5V or 3.3V)3.3V
15V2(5V or 3.3V)3.3Vモータードライバ制御で使用
16V2(5V or 3.3V)3.3Vモータードライバ制御で使用
19V2(5V or 3.3V)3.3V
20V2(5V or 3.3V)3.3V

モータードライバ

「KS4033」には2chのモータードライバ(DRV8833)が搭載されており、ふたつのDCモーターを制御することができます。
マイクロビットの「12番」ピンと「13番」ピンでモーターAを、「15番」ピンと「16番」ピンでモーターBを制御します。
「アナログで出力する」ブロックを使ってPWM信号を与えることで、モーターの速度(モーター電圧)を調節することができます。乾電池4本で電源供給している場合、アナログ値を「256」程度にするとモーター電圧が3V程度になり、ちょうど良い感じでモーターを回すことができるようです。

 

なお、私がマイクロビットの使い方を習得するのにあたっては、以下の書籍を参考にさせていただきました。


初心者向けから、比較的高度なものまで、さまざまな情報が記載されているだけでなく、子供向けの作例も多数掲載されていますので、「プログラミング教育」のための題材さがしなどにもおすすめです。