これまで、M5Cameraで一定期間毎に風景写真などを撮影し、それをつなげてタイムラプス動画をつくってきました。
このうち、畑などの屋外では、電源がないためM5Cameraとソーラーパネルをセットで設置して常時稼働させています。
さて、M5Cameraと同じシリーズの「Timer Camera」には、バッテリーが内蔵されています。
また、低電力と謳われており、スケッチ次第では内蔵バッテリーだけで1ヶ月以上連続稼働できるようです。
本当にこのとおりに動くなら、畑などの電源のない場所でも、簡単に数日にわたるタイムラプス動画をつくることができそうです。
そんな訳で、Timer Cameraでのインターバル撮影を試してみることにしました。
Timer Camera X(Yahoo!ショッピング)まずは机上計算してみます。
私の持っている「Timer Camera F(魚眼レンズ版)」には、270mAhのバッテリーが内蔵されています。
Timer Cameraのスタンバイ時の消費電流値は、なんと「2μA」とのことです。
もしも、スタンバイ状態を1ヶ月継続したとすると、2μA * (30日 * 24時間) = 1440μAh = 1.44mAh となります。
内蔵バッテリーの容量(270mAh)に比べて十分小さく、無視できる値です。
写真を1枚撮影し、Wi-Fiに接続してWebサーバに送信するのに100mAで10秒間かかるとすると、100mA * 10秒 = 1000mAs = 0.28mAh となり、270mAh / 0.28mAh = 960枚の写真を撮影できる計算になります。
- 1分に1枚撮影する場合:1分 * 960枚 = 960分 = 16時間
- 10分に1枚撮影する場合:10分 * 960枚 = 9600分 = 160時間 = 6.7日
- 1時間に1枚撮影する場合:1時間 * 960枚 = 960時間 = 40日
計算どおりなら、内蔵バッテリーだけですごい枚数の写真を撮影できそうです。
実際にスケッチをつくって動かしてみます。
色々なWebサイトやスケッチ例から情報を集めて適当にスケッチをつくっており、そもそもあまり内容を理解できていないので、ここにスケッチそのものは載せませんが、処理としては、
- 起動したらタイマーを5分にセット
- Wi-Fi接続後、写真を1枚撮影してWebサーバに送信
- 速やかにスタンバイ状態に移行
するというものです。
これで、5分毎にTimer Cameraが起動し、1枚の写真がWebサーバにアップロードされることになります。
このスケッチをTimer Cameraに書き込んだあと、Timer CameraをACアダプタに30分ほどつないで充電し(満充電ではありません)、家のベランダに設置して写真を撮影してみました。
撮影を開始してちょうど1日たった時点で確認したところ、まだ稼働し続けており、288枚(24時間 * 60分 / 5分 = 288枚)の写真がきちんと撮影できていました。
満充電していなかったにもかかわらず、本当にこれだけの写真を撮影できており、ビックリです。
撮影した写真でタイムラプス動画をつくってみました(スケッチのミスで、画像の左右が反転してしまっています)。
画質はそれほど良くありませんが、M5Cameraと同等の画質のタイムラプス動画をつくることができました。
デバイスに何のケーブルもつながずに、これだけの期間、連続稼働できるのは感激です。
いっそのこと、カメラ機能を使わず、内蔵バッテリーのみで長期間連続稼働が可能なIoTデバイスとしても、色々と活用できるのでは?と感じました。
追記
改めて、内蔵バッテリーを満充電した状態で、どれだけの期間「Timer Camera」を連続稼働できるか確認してみました。
5分に1枚のペースで写真を撮影させたところ、106時間40分(約4日半)稼働し、1280枚の写真を撮影することができました。
前述の机上計算以上の結果です。
1280枚の画像を30fpsのタイムラプス動画にすると、約42秒の動画をつくれる計算になります。
この小さいデバイスを単体で置いておくだけで、これだけの画像が撮影できるとは、本当にすごいことだと思います。
なお、私がM5Stack、M5StickCの使い方を習得するのにあたっては、以下の書籍を参考にさせていただきました。
ごく基本的なところから、かなり複雑なスケッチや、ネットワーク接続など、比較的高度なものまで、つまづかずに読み進めていけるような構成になっており、大変わかりやすい本です。