私は、小中学生にプログラミングなどを教えるボランティアグループのメンバーになっています。
このグループでは今年度、小中学生に電子回路とマイクロビットプログラミングを教える、通年のワークショップを実施しています。
月1回のペースで合計9回実施し、最終的には各自で決めたテーマで作品をつくってもらう計画です。
作品の内容は、参加者に自由に決めてもらいますが、思い浮かばない子供のために、作例もいくつか準備しておこうと考えています。
今回は、グループのメンバーが「マイクロビットロボカー」を考えてくれました。
ふたつのモーターで動く車です。マイクロビットでモーターを制御することで、前進、後進、右折、左折など、自由に動かすことができます。
この「マイクロビットロボカー」を、私もつくってみました。
使用する材料はこんな感じです。
モータードライバは、秋月電子の「TC78H653FTGモータドライバモジュール(K-14746)」、
ブレイクアウトボードは、同じく秋月電子の「マイクロビットブレイクアウトボードキット(K-14191)」を使います。
ギア付きモーターとタイヤは、アマゾンで購入したものです。
これ以外に、「マイクロビット」、ボディとなる「プラダン」、前輪となる「キャスター」も必要です。
名称 | 数量 | 購入先 |
---|---|---|
マイクロビット | 1 | |
マイクロビットブレイクアウトボードキット(K-14191) | 1 | 秋月電子 |
TC78H653FTGモータドライバモジュール(K-14746) | 1 | 秋月電子 |
電池ボックス(単4×2本)(P-00348) | 1 | 秋月電子 |
単4電池 | 2 | |
ジャンパーワイヤ(オス-メス)10cm | 7 | アマゾン |
ギヤードモーター+タイヤセット(2組) | 1 | アマゾン |
配線(2心並列線)12cm | 2 | |
ケーブル用コネクタ(C-12160) | 4 | 秋月電子 |
コネクタ用ハウジング2P(P-00348) | 2 | 秋月電子 |
結束バンド | 2 | |
プラダン 15cm×15cm | 1 | コーナン |
ラクラク ピタッ!とキャスター | 1 | ダイソー |
スコッチ超強力両面テープ プレミアゴールド スーパー多用途 | 1 |
最初に、各パーツのはんだづけなどを実施します。
ブレイクアウトボードに、ピンソケットとターミナルをはんだづけします。
モータードライバにも、ピンヘッダをはんだづけします。
ギア付きモーターには、配線をはんだづけし、配線の逆の端には、圧着ペンチでピンコネクタを取り付けます(ピンコネクタにはハウジングを付けます)。
また、配線を引っ張って取れたりしないように、結束バンドで固定しておきます。
グループのメンバーがここまで事前準備をした上で、材料を子供に配布します。
それでは、製作を開始します。
15センチ角のプラダンを用意します。
前側の角ふたつについては、角から4センチのところで斜めにカットします。
ギア付きモーター、ブレイクアウトボード、電池ボックスを、両面テープでプラダンに貼り付けます。
(両面テープは「スコッチ超強力両面テープ プレミアゴールド スーパー多用途」がおすすめとのことです。他の両面テープではうまく付かないようです。)
ジャンパーワイヤで、各パーツをつなぎます。
ブレイクアウトボード | 電池ボックス |
---|---|
ターミナル「3V」 | プラス(赤) |
ターミナル「GND」 | マイナス(黒) |
ブレイクアウトボード | モータードライバ |
---|---|
ソケット「P13」 | IN2 |
ソケット「P14」 | IN1 |
ソケット「P15」 | IN3 |
ソケット「P16」 | IN4 |
ソケット「3V」 | VM |
ソケット「3V」 | STBY |
ソケット「GND」 | GND |
モータードライバ | 右モーター |
---|---|
OUT2 | 黒 |
OUT1 | 赤 |
モータードライバ | 左モーター |
---|---|
OUT3 | 黒 |
OUT4 | 赤 |
キャスターは、ダイソーの「ラクラク ピタッ!とキャスター」を使います。
ボディ裏面の前側に、キャスターを貼り付けます。
ギヤ付きモーターに、タイヤをはめ込んだら完成です。
動作確認のため、マイクロビットに以下のようなプログラムを書き込みます。
マイクロビットをブレイクアウトボードに差し込み、電池ボックスのスイッチをONにし、マイクロビットの「A」ボタンを押すと、ロボカーが、「前進」→「後進」→「右回転」→「左回転」します。
マイクロビットのプログラムによって自在に動かすことのできる「ロボカー」ができました。
あらかじめプログラミングしたとおりに動かすことができる他、マイクロビットの「無線」機能を使うと、もうひとつのマイクロビットをリモコンにして、ロボカーを操縦することもできます。
また、パーツを追加することで、
- フォトリフレクタを2個取り付けて「ライントレースカー」
- 超音波センサを取り付けて「障害物自動回避カー」
などもつくれそうです。
このロボカーをベースにして、子供に工夫してもらい、いろいろなロボカーをつくってほしいと思います。
なお、私がマイクロビットの使い方を習得するのにあたっては、以下の書籍を参考にさせていただきました。
初心者向けから、比較的高度なものまで、さまざまな情報が記載されているだけでなく、子供向けの作例も多数掲載されていますので、「プログラミング教育」のための題材さがしなどにもおすすめです。