私は、小中学生にプログラミングなどを教えるボランティアグループのメンバーになっています。
このグループでは2021年度より、小中学生に電子回路とマイクロビットプログラミングを教えるワークショップを実施しています。
月1回のペースで、年間に合計9回程度のワークショップを実施し、「電子回路」や「プログラミング」についての講義を行う他、それを踏まえて各参加者に作品をつくってもらっています。
実は昨年度までは、年間をとおして同じ受講生に継続して参加してもらい、1年間をかけていろいろなことを学んでもらうというかたちの活動をしていました。
しかし、以前より一部の受講希望者から「他の用事などもいろいろあるので、1年とおして参加するのはなかなか難しい」との声が寄せられていたことから、今年度はためしに「合計3回のワークショップを3セット実施する」という運用にしてみることにしました。
回数が減ってしまうので、電子工作やプログラミングについて深いところまで学んでもらうことはできませんが、その分気軽に参加でき、多くの人に体験してもらえるのでは?という狙いです。
また、従来は通年制の活動だったため、作品も各参加者に自由に考えてつくってもらっていましたが、今回は回数も少ないので、つくる作品は講師側であらかじめ決めておき、みんなに同じものをつくってもらうことにしました。
つくってもらった作品は以下です。
さて、このように始めた今年度のワークショップですが、実際に蓋を開けてみると「続けて参加したい」と希望する受講生も多く、結局はかなりの受講生が3セットのワークショップすべてに参加してくれました。第3期などは、第1期、第2期の受講者の参加申し込みで定員がすぐに埋まってしまい、新規の受講者募集ができないほどでした。
また、つくる作品についても、こちらが用意していた上記の作品のみにとどまらず、それとは別に好きな作品をつくりはじめる受講生も出てきました。
そもそもが、こちらが用意した作品をつくってもらうという企画だったので、できあがるものも当然同じになると考えていたのですが、結局は参加者によって、かなりバリエーションにとんだ作品ができあがりました。
そんな訳で、せっかくなので今年度も「成果発表会」を開催することにしました。
発表会の場では、生徒の皆さんが自身でプレゼン資料なども準備し、自分のつくった作品を紹介してくれました。
先ほども書いたように、今年度はこれまでに比べると、あまり深いところまで教えることができませんでしたが、そんな中でもみんな色々と工夫し、それぞれとてもすばらしい作品になっていました。
ここではそれらの作品の概要を紹介しておこうと思います。
ピンボールゲーム(小3)
第3回のワークショップで「ピンボールゲーム」をつくりましたが、これを改良しています。
ゲーム中は第2回ワークショップで使用した「フルカラーLED」が点灯し、「スーパーマリオ」のメロディーがバックグラウンドで流れます。
また、ゲーム終了時にも、点数によって異なるメロディーが流れます。
ピンボール台にはいろいろなシールなども貼られており、とても可愛らしくデコレーションされています。

ライトセーバー・R2D2(小3)
第1期のワークショップで、超音波センサをつかい、壁にぶつからないように走るロボカーをつくったのですが、それをベースにして「自分についてくるロボカー」がつくれるのでは?と思いついたそうです。
超音波センサを左右にふたつ取り付け、両方の距離のちがいによりロボカーの進む方向を制御するようにしています。
ロボカーは「R2-D2」の形状にし、とてもかわいらしく走りまわります。
また、第2期のワークショップでフルカラーLEDを使ったのをきっかけに、ライトセーバーもつくりました。ライトセーバーを振ると音が鳴り、色が変わります。
ハロウィンイベントで「ダースベイダー」に仮装する際に使ったそうです。

AIペンギン(仮)(小3)
しゃべるペンギンが乗ったロボカーです。
リモコンで操作すると、ペンギンが「右に曲がります」「左に曲がります」などとしゃべり、ロボカーがそのとおりに走ります。
しゃべる音声はMP3プレイヤーに保存してあります。また、その音声は「音声読み上げソフト」でしゃべらせており、AIのようなしゃべり方をします。
フルカラーLEDテープもつかっており、ロボカーが走っているあいだ、とてもきれいにピカピカ光ります。
第1期のロボカーと、第2期のフルカラーLEDを組み合わせ、さらにはワークショップでは扱っていない「MP3プレイヤー」や「マイクロビット無線機能」も使い、家族で相談しながらとても高度な作品に仕上がっていました。

回る!!空中ブランコ(小4)
夏休みの作品展に出展するためにつくった作品です。
マイクロビットの制御で空中ブランコが回ります。
ブランコが回っている間は「ハイホー」のメロディがなります。曲が終わるとブランコがゆっくり止まります。
床下にターンテーブルのような台を仕込んであり、ギア付きモーターに取り付けているタイヤをこの台に当てることで、空中ブランコを回しています。
折り紙をつかった飾り付けなどもしてあり、とても可愛らしく仕上がっています。

ぼくの発明ピンボール(小4)
第3回のワークショップでつくった「ピンボールゲーム」に、第2回でつかった「フルカラーLEDリング」と題1回でつかった「超音波センサ」を組み合わせています。
元々の「ピンボールゲーム」では、フォトインタラプタをつかった「ターゲット」が回ったときに点数が入るようにしていたのですが、それに加えて、超音波センサの前をビー玉が通ったときにも点数が入るようにしています。
また、点数が入った時にはフルカラーLEDがピカピカ光るようにしてあります。
超音波センサの設置場所の調整や、超音波センサに関する部分のプログラミングが大変だったようです。

光るピンボールゲーム(小5)
第3回のワークショップでは「ピンボールゲーム」を、第2回ではフルカラーLEDリングを使った「クリスマスイルミネーション」をつくりましたが、これらを組み合わせてひとつの作品にしています。
クリスマスイルミネーションは元々、「普段は青系のグラデーションで明滅」「人が近づいたときは派手な色で明滅」させていたのですが、これを応用して「ピンボールゲームのゲーム中は青系のグラデーションで明滅」「点数が入ったときは派手な色で明滅」するようにしています。
元々のピンボールゲームでは、点数が入った時に音が鳴るだけだったのですが、LEDも加わることでより賑やかなゲームになりました。

ゴミクレーン(小5)
このワークショップは、ゴミ焼却場に併設された施設で実施しているのですが、その焼却場を見学したときに見た「ゴミクレーン」のようなものをつくってみたいと思ったそうです。
木材で大きな立方体の枠をつくり、その上部には「左右に走る車」と「前後に走る車」が乗っています。また、車からはアームがぶら下がっており、アームの開閉と上下動もモーターで行います。
つまり、マイクロビットで4つのモーターを制御し、UFOキャッチャーのような動きを実現しています。
マイクロビットの限られたボタンでさまざまな動きを行うため、A+Bボタンを押すたびに「前後の動き」→「左右の動き」→「上下の動き」→「アームの開閉」と、動作モードが順番に切り替わるようにしてあります。
アームでモノを掴みやすくするために「3Dペン」というものを使ってアームの形状を仕上げるなど、さまざまな工夫をしています。

第1期に使った「モーター」「超音波センサ」、第2期の「フルカラーLEDリング」、第3期の「ピンボール台(フォトインタラプタ)」を組み合わせて作品をつくってくれた受講生が多くいました。
講師陣としても、「指示したとおりのモノをつくるだけでなく、それらを応用していろいろ工夫してもらえたら」という希望を持っていたのですが、多くの参加者がまさにそのような作品をつくってくれ、大感激でした。
また、今回のワークショップでは、それほどいろいろなことを教えた訳ではなかったのですが、それでも受講生から自主的に講師にいろいろな質問をしにきたりもして、かなりレベルの高い作品も数多くありました。
保護者の方々もたくさんのサポートをしておられたようで、親子で力を合わせて作品づくりをするというのもすばらしいことだと思いました。
なお、私がマイクロビットの使い方を習得するのにあたっては、以下の書籍を参考にさせていただきました。
初心者向けから、比較的高度なものまで、さまざまな情報が記載されているだけでなく、子供向けの作例も多数掲載されていますので、「プログラミング教育」のための題材さがしなどにもおすすめです。

