万能酵母液づくりのワークショップを開催しました

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発酵食品づくり

先日、数名の方にお集まりいただき「万能酵母液づくり」のワークショップを開催しました。

参加者の皆さまには結構喜んでいただくことができ、また、参加者の中には発酵関係にとても詳しい方もおられ、こちらも大変勉強になりました。

ここでは、このワークショップで実施した内容について、概要を簡単にまとめておきます。

万能酵母液について(座学)

万能酵母液とは

万能酵母液は、玄米(胚芽)にいる酵母菌に、エサとなる黒砂糖などを与えて発酵させたものです。
酵母の中でも、玄米酵母と納豆菌は最強の菌で、このふたつは熱しても冷凍しても生きているそうです。
ちなみに、玄米酵母はもみ殻の中、納豆菌はワラの中にいます。

熊本の天然酵母パン屋さんが 自然食や天然酵母の研究をする中で、昔の日本人の強靭な身体は、発酵食品を作り出す微生物たちの力が大きかったんじゃないか?と気付いたことをきっかけに行き着いたものとのことです。

酵母は腸内環境を整える善玉菌として働いてくれます。

なぜ万能酵母液か?

腸内環境を整えるためには、万能酵母液が有効ですが、腸内環境を整えると「体の健康」、「心の健康」、「アンチエイジング」などに効果があると言われています。

このうち「心の健康」に関してですが、心に大きく影響しているホルモンとして、以下の「三大神経伝達物質」があります。

  • 興奮系:興奮、意欲、学習、モチベーションをもたらす(ドーパミン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、グルタミン酸)
  • 調整系:衝動に関与しながら、心身の安定や心のやすらぎをもたらす(セロトニン)
  • 抑制系:脳が興奮した際のブレーク役を果たし、アクセルの興奮系とバランスを保つ(GABA)

この中の「セロトニン」は、「幸せホルモン」と呼ばれており、小腸でセロトニンがしっかり作られると、心身が安定してポジティブな気分になり、脳の活動も活発になり、姿勢や表情も活きいきしてくるそうです。
ストレス社会に生きる現代人にとっては、とても大切なホルモンと言えます。

体内にあるセロトニンの割合は腸:約90%、血液:約8%、脳:約2%となっており、つまり「幸せの90%は小腸にいる!」ということになります。

まとめると、「幸せになるにはセロトニンが有効」→「セロトニンをつくるには腸内環境を整えることが有効」→「腸内環境を整えるには善玉菌の酵母が有効」→「酵母を採取するには万能酵母液が有効」ということになります。

万能酵母液のつくり方(実習)

材料(できあがり6リットル分)

  • 玄米20g
  • 黒砂糖65g
  • 粗塩7g
  • 水(ミネラルウォーターはダメ。浄水器を通した水道水が良い。硬水より軟水が良い。)
  • ペットボトル容器(500mlを3本、2lを1本)

つくり方(1次発酵)

  • 500mlのペットボトルに、黒砂糖65g、塩7g、水200mlを入れてしっかり溶かし、そこへ玄米20gを入れて20〜30回シェイク する。
  • 30〜45℃ほどの温度で発酵させる(夏は24時間、冬は48時間、春秋は30時間程度)。夏場なら室内に放置、冬場ならお風呂のお湯につける。
  • 指定の時間が経過した後に、ペットボトルの蓋を開けて「プシュ」という音がしたら、1次発酵は終わり。
  • 玄米と原液を分ける(玄米は20回くらい再利用できる)。

つくり方(2次発酵)

  • 1次発酵させた原液を3等分する。
  • 3等分したうちのひとつを2lのペットボトルに入れる。そこに1lの水を加えて薄め、24時間置いておく。
  • その後さらに1lの水を足して1時間置いておく(合計2l)。
  • 1時間経過したら、5gの塩を入れて発酵を止める。これで2次発酵も終わり。これで1/3の量ができあがり。
  • 3等分した残りのふたつは、500mlのペットボトルにそれぞれ入れておき、同じようにつくる。500mlペットボトルの状態(1次発酵後)で冷凍保存して、2次発酵した万能酵母液2lがなくなってから、冷凍庫から取り出し、同様に2次発酵させてつくるのがおすすめ。

万能酵母液の使い方

  • お料理に:ご飯を炊く時に入れる、お味噌汁に入れる、煮物に入れる、など。玄米酵母菌は熱に強く、火を入れても死にません。
  • お掃除に:スプレー容器に入れてシュッシュする。
  • お洗濯に:部屋干しの洗濯物にシュッシュ。つけ置き洗いなどにもつかえる。玄米菌が不要な菌の増殖を抑えてくれます。
  • お肌や髪に:化粧水のように顔や髪にシュッシュする。
  • お部屋に:カーテンにシュッシュ。空間にシュッシュ。繊維の間に玄米菌が住み着き、周囲の菌を統率してくれます。

注意事項として、万能酵母液を使い始めると「好転反応」というものが起きる場合があります。
好転反応とは、これまでに経験した不調が逆再生で回復する過程で起きるもので、

化粧品の毒が肌のプツプツとして排出され、その後肌がきれいになる
過去にケガをした場所が痛み、その後動きが軽くなる
お腹を壊し、下痢になり、その後アレルギーが軽くなる

というようなものです。
人によって好転反応の強さはマチマチです。だいたい1週間程度で収まるようですが、まれに長引いたり、強い反応が出る場合もあるので、最初は少しずつ摂取することをおすすめします。