「自然農」に取り組んでおられる知り合いの方から畑の一画をお借りして、野菜栽培体験を楽しんでいます。
ところで、私はそもそも「自然農」というものをあまり理解できていないので、「自然農」について少しだけ調べてみました。
自然農について
「自然農法」や「自然栽培」という言葉は、さまざまな使われ方がされており、正式に定義されている用語ではないようです。
そんな中で、私なりに大雑把に解釈したところによると、「自然農」とは、「自然界の生態系が元々持っている仕組みや働きを活かした」作物の栽培方法です。
自然界に元々備わっている摂理を活かすため、生態系を壊さないよう、土壌や作物に、できるだけ手を加えないようにする農法になります。
具体的には、「耕さない」、「肥料・農薬を用いない」、「草や虫を敵としない」(川口由一氏が提唱)を原則とし、広く知られている、一般的な「無農薬栽培」や「有機栽培」とは異なるようです。
ただし、自然の摂理を活かすとは言っても、「何もしない」という訳ではなく、自然を損なわない範囲で、人が環境を整えていく必要があります。
人の手が全く入らず、放置されている山が荒廃しているのに対し、ある程度の手入れがされた里山の方が、生態系が豊かに循環しているのと同様です。
他の用語との違いを、私なりに解釈してみました。
耕起 | 除草 | 施肥 | 農薬 | |
---|---|---|---|---|
自然農法 (岡田茂吉氏が提唱) | ○ | 人力のみ | 自然堆肥のみ | × |
自然農法 (福岡正信氏が提唱) | × | × | × | × |
自然農 (川口由一氏が提唱) | × | 人力のみ | × | × |
自然菜園 (竹内孝功氏の書籍) | × | 人力のみ | 自然堆肥のみ | × |
自然栽培 | ○ | ○ | 自然堆肥のみ | × |
有機栽培 | ○ | ○ | 有機肥料のみ | 有機農薬のみ |
私が借りているのは「自然農」の畑ですが、管理している方からは「自然堆肥を使うのは全然OKだよ」と言われており、上記の表の分類でいくと、「自然菜園」に近いように思います。
そんな訳で、私は竹内孝功さんの以下の書籍で、「自然農(正確には自然菜園)」について勉強しています。
自然農の特徴
上述の書籍によると、「自然農」の特徴は以下のようになります。
- 化学肥料や農薬は使わず、堆肥や有機肥料も最低限にする。
- 土を耕さない。
- 草を抜かずに刈り取って、草マルチにする(草マルチ用の草も育てる)。
- 土の状態にあった野菜を栽培する。
- 旬の時期に栽培する。
- 葉や茎よりも根を優先して育てる。
- コンパニオンプランツと混作、輪作する。
- 自家採種したタネを使う。
- 継続することで、畑の状態がよくなる。
土は耕さず、草を刈り取って畑に敷くことで、畑に虫や微生物が増え、敷いた草が堆肥になります。また、残した根が枯れることで、土の質がよくなります。
土の状態にあった野菜を旬の時期に育て、草と共生させることで、土の状態がどんどんよくなっていき、継続しておいしい野菜を育てることができるようになります。
このように、できるだけ自然に近い環境で野菜を育てるのが「自然農」ですが、現代の野菜の品種は、どうしても自然の草よりも弱いため、野菜が草に負けてしまわないよう、少しだけ人の手を加えるのが「自然農」の基本スタンスになります。