M5Cameraと人感センサでシカの写真を撮影する

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M5Cameraの撮影例

畑に何台かの「M5Camera」を設置しています。
M5Cameraで一定時間毎に写真を撮影し、その画像データをWebサーバにアップロードすることで、自宅からでも野菜の生育状況を確認できるようにしています。

さて、そもそもM5Cameraを畑に設置したいと考えたのは、M5Cameraを獣害対策に活用できないかと考えたことがきっかけでした。

幸いなことに、うちの畑はまだ、獣に入られてはいませんが、畑の周りにはシカやイノシシがうろうろしており(フンがたくさん落ちています)、近隣の畑では実際に被害も発生しています。
「トレイルカメラ」という、獣を撮影するためのカメラが販売されていますが、これは撮影した画像データをSDカードに保存する方式のため、定期的にカードを回収しに行く手間がかかるうえ、リアルタイムに状況把握することもできません。

カメラがインターネットにつながることで、獣の侵入をリアルタイムに把握できるようになり、獣害対策に役立つかもしれないと考えています。

畑に設置しているM5Cameraは、長いものでは既に1年以上連続稼働させており、まあまあ安定して稼働できる状態になってきているため、そろそろ獣を検知して撮影できるように改良してみたいと思います。

具体的には、M5Cameraに「人感センサ」を取り付け、センサが人や獣を検知した時のみ写真を撮影するようにしてみます。


また、夜間にも撮影できるように、写真撮影のタイミングのみ、LEDライトを点灯させたいと思います。
今回使用するLEDライトは12V動作のため、「M5Stack用ミニリレーユニット」を使ってM5CameraからON/OFFを制御することとします。


M5Cameraには、外付け部品用の端子はGROVEポートひとつしかありません。
ひとつのGROVEポートで「人感センサ」「M5Stack用ミニリレーユニット」の両方に接続するために、一旦M5Cameraと「M5Stack用拡張ハブユニット」をつなぎ、ハブユニットに「人感センサ」と「M5Stack用ミニリレーユニット」をつなぎます。
GROVEポートには信号線が2本ありますので、1本は人感センサからの入力、1本はリレーユニットへの出力として使います。


M5Cameraへの電源供給には、以前つくったソーラー発電システムを使います(記事は こちら)。
また、インターネットとの通信には、畑に別途設置しているモバイルWi-Fiルータを使います(記事は こちら)。

つまり、「人感センサ」で獣を検知すると「LEDライト」を点灯して写真を撮影し、撮影した画像データはWi-Fiで「モバイルWi-Fiルータ」に送信、そこからWebサーバにアップロードするという仕組みです。
M5Camera、モバイルWi-Fiルータともに、ソーラー発電システムで常時稼働させるため、外部からの電源供給は不要です。

つくったカメラシステムはこちらです。M5Cameraやその他の外付け部品は、これまでと同様、タカチの防水ボックスに収納しました。


カメラシステムとソーラー発電システムを接続します。まだ、畑の中には獣が入ってきていないため、獣が通っていそうな畑の周囲に向けてカメラを設置しました。

システムを設置した当日には何も撮影できませんでしたが、翌日には、夜間にやってきたシカの写真が撮影できました。

その後も、畑に人が来てバタバタしていた日には何も撮影できず、人がいなくて静かだった日には、夜間にシカの写真が撮れます。
人が来ているかどうかをどこかから観察しているのかもしれません。

このように、畑の周囲をうろうろしている獣の写真を撮影できるようになりました。
今後、これを応用することで、獣害対策にも活用できるようになるかもしれません。

 

なお、私がM5Stack、M5StickCの使い方を習得するのにあたっては、以下の書籍を参考にさせていただきました。


ごく基本的なところから、かなり複雑なスケッチや、ネットワーク接続など、比較的高度なものまで、つまづかずに読み進めていけるような構成になっており、大変わかりやすい本です。