私は、兵庫県川西市の環境啓発施設「ゆめほたる」で活動しているボランティア団体「環境科学技術クラブ」のメンバーになっています。
このクラブでは来年度、小中学生向け電子工作ワークショップ「環境科学技術塾」の開催を計画しています。
ここでは、これまでも何度か、マイクロビットプログラミングのワークショップを開催してきましたが、それらはいずれも1日単発の企画でした。
子供たちに楽しんでもらってはいますが、プログラムや電子工作についてきちんと理解してもらうまでには至っておらず、開催する側としても若干物足りなさが残る内容でした。
そのような反省から、来年度は年間を通して学ぶ内容とし、プログラムや電子工作について、ある程度きちんと教えることができれば、と考えています。
月1回程度のペースで7〜8回実施し、最終的にはそこそこちゃんとした作品をつくらせたいと思っています。
作品の内容は、参加者に自由に決めてもらおうと考えていますが、思い浮かばない子供のために、作例も準備しておこうと考えています。
その際、男の子についてはラジコンカーやロボットなど、これまでにつくってきたものの中に興味を持ってもらえそうなものが色々あるのですが、女の子に興味を持ってもらえそうな作例が見当たりません。
そんな訳で、女の子向けの作例をつくっておくことにしました。
つくるのは「IoTドールハウス」です。
おもちゃの家にセンサーやLEDを仕込み、周囲の状況に応じて光ったり動いたりするものをつくると楽しいのではないか?と思います。
今回は「マイクロビットに内蔵されている光センサーで周囲の明るさを測定し、暗くなったらLEDを点灯させる」、「家の扉に磁気スイッチをつけておき、扉が開いた時にスピーカーで音楽を鳴らす」というふたつの機能を搭載します。
音楽を鳴らすために、マイクロビットに「MI:電源ボード」を取り付け、「MI:電源ボード」に搭載されているブザーで音を鳴らします。
100円ショップで厚さ3mmのベニヤ板を購入し、家庭用のレーザーカッターで切断してパーツを準備します。
切断したパーツ同士を接着剤で貼り合わせます。
その後、同じく100円ショップで購入した塗料を塗ります。
以下は、作成途中の様子です。
100円ショップで別途、地面用の板も購入し、そこにマイクロビットや磁気スイッチ、LEDを固定し、それらを接続します。
地面用の板に家をかぶせて完成です。
電子回路は全て地面用の板に取り付けてあり、家自体はただの箱です。
なお、LEDは、100円ショップで売っていた「LEDイルミネーションライト」から取り出したものを使いました。マイクロビットで制御する方法は こちら の記事のとおりです。
また、マイクロビットで音楽を鳴らす方法は こちら の記事のとおりです。
これでできあがりです。
こんな感じで動作します。ワークショップの説明会がクリスマス時期に開催されるので、クリスマス風にしてみました。
2020年12月18日追記
追加で、若干小さいものもつくりました。
色を塗っていないので見た目は今ひとつですが、機能的には同じものです。
なお、こちらの作例では、マイクロビットは「micro:bit用GROVEシールド」に装着し、地面の裏側に固定しています。
マイクロビットが裏に隠れてしまっているので、マイクロビット内蔵の光センサは使用せず、「Grove光センサ」を取り付けています。
また、USB電源、スピーカーともに、百円ショップで購入したものを取り付けました。
先ほどの作例と同様に、「周囲が暗くなった時にLEDを点灯させる」、「扉が開いた時に音楽を鳴らす」ことができます。
ただ、こちらの作例では、マイクロビットをシールドに取り付けているので、簡単に他のマイクロビットに交換することができます。
そんな訳で、別のプログラムも準備して、別のマイクロビットに書き込んでおくことにしました。
新しいプログラムは、「おうちをスマホで遠隔地から操作する」ものです。
スマホの「micro:bitアプリ」で、スマホとマイクロビットのペアリングを行います。
ゲームパッドでAボタンを押すとLEDが点灯、Bボタンを押すと消灯します。また1ボタンを押すと音楽が流れます(スマホの「micro:bitアプリ」でマイクロビットを操作する方法は こちら)。
マイクロビット本体を挿し替えるだけで、2種類のプログラムを楽しめるようになりました。
なお、私がマイクロビットの使い方を習得するのにあたっては、以下の書籍を参考にさせていただきました。
初心者向けから、比較的高度なものまで、さまざまな情報が記載されているだけでなく、子供向けの作例も多数掲載されていますので、「プログラミング教育」のための題材さがしなどにもおすすめです。